第7回:空が灰色だから手をつなごう:徹底解釈!空が灰色だから!!1:第3話:第1巻

ネタバレあり

はじめに

阿部共実先生私が最も敬愛する漫画家の一人である。先生の作品の中でも私が特に好きな作品は空が灰色だからである。この作品は全5巻の中に1話完結の話がたくさん入っている。徹底解釈!空が灰色だから!!では各話ごとの解釈を述べていきたい。なお、解釈する話は順番通りではない。

今回は第3話(1巻)空が灰色だから手をつなごうについて述べる。

あらすじ

シングルマザーの母の楓は、シングルマザーという境遇のせいで1人娘の穂が学校で浮いているのではないかと心配になり、学校で流行っているというゲームを買おうとする。しかし、お金が足りずに結局安売りの他のゲームを買う。娘はそんな母にありがとうと言っておわり。最後のコマには娘が母にあげた花冠が描かれていた。

感想

阿部共実先生の漫画の醍醐味は表情であると常思っているのだが、今回の話でもそれが活きていた。娘が学校のことを母に話すときの切なげな表情、それに勘づきつつもやるせない母の表情1つ1つが明瞭かつ繊細に描かれていて、母娘それぞれの感情がぐっと刺さる。

考察

ラストシーンの解釈をする。ラストはあらすじにも書いたが、母が娘にプレゼントをあげて、娘が母にありがとうと言う。これだけならば母の気持ちが娘に通じたという解釈になるだろう。しかし、私が注目したのは、最後のコマの花冠だ。この花冠は、序盤に母娘が遊んでいるときに娘が作って母に渡したものである。母はそれをありがとうといって受け取った。その花冠が最後のコマに描かれたのにはどんな意味があるのだろうか。これは娘は本当は母のプレゼントには喜んでいなかったと考えることができる。母が花屋さんインテリアという描写ない。花冠を娘から受け取ったとき、母は花冠をもらって喜んだのではなく、花冠を作ってくれた娘の思いやりに感謝したのだ。その花冠を最後に描いたということは、娘も、母からのプレゼント自体に喜んだのではなく、母の思いやりに対して感謝したのだと考えられる。そういう意味ではハッピーエンドとも捉えられるが、母娘が抱える根本的な問題は解決してないのだ。

蛇足

皆様方はトラウマになった漫画はあるだろうか。私は楳図かずおの洗礼の第1巻がトラウマだった。小学校の頃に親戚の墓参りに行ったときに石屋さんに置いてあったのだが、1巻を読んだときに、脳みそを無理やり手術されるシーンを見てトラウマになった思い出がある。

最後までお読み頂きありがとうございました。